相続関連の民法改正、「配偶者居住権」ってご存じですか?

 カテゴリ/暮らしのヒント 投稿日/2020-02-02

2020年4月、相続時の配偶者居住権が施行されます。
相続関連の民法改正により、配偶者の保護が強化されることになります!!

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配偶者居住権とは、親子が円満に遺産を分けられる新手法。

改正前は、不動産の所有権と居住権が所有権のみで相続されていたものが、改正によって所有はしないが、居住できるという親御さんからすると有難い権利分配に変わるのです。

つまり、所有権を「居住権」と「所有権」に分けることができるようになることで、残された配偶者は「居住権」を得ることで、財産分配が実際のニーズに近いカタチで行うことができるようになります。

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5000万円(自宅3000万円、預貯金2000万円)の父親の遺産分配で考えた場合、母親(妻)と息子(子)に1/2ずつ分ける場合、

改正前は妻に自宅の所有権3000万円を渡し、預貯金は子に渡すとした場合、3000万円の自宅を貰った妻は500万円分のキャッシュを子に渡すことになります。

その場合、自宅を売らないといけなくなったりします。

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それが、改正後は、

妻は居住権として1000万円、子に自宅の所有権2000万円と分けて渡すことで、3000万円の自宅の相続をそれぞれの必要事項にフィットするように按分して相続することができるようになりました。

すると、残りの2000万円の預貯金のうち、1500万円を妻に、500万円を子に渡すことで丁度1/2ずつの2500万円になります。
 

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妻の死亡によって、居住権が消滅し、元々の所有権に戻ることも理にかなっていると思われます。
 
各家族化が進む今の時代において、親子が別々に暮らす場合も多くなっています。疎遠になると何かのきっかけで仲が悪くなってしまったり、最悪な場合は相続の段階で家族間で争いとなったり、悲しい事態に陥ることもあるかもしれません。
今まで、リスクとして考えられていた以下の二点が改善されたと言って良いと思います。
 
① 配偶者が子供に家を追い出させるハメに・・・
② 居住場所を確保するあまり、自宅を選んだは良いけれど、キャッシュを払わなくてはならなくなり、家を売るハメに・・・
 

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おきて欲しくはない相続。しかし、人の寿命を考えると、必ず相続はおきるでしょう。先を見越した備え、話し合いにおいて、人は今までも知恵と工夫でいろいろな事態を切り抜けてきたと思います。備えあれば憂いなし。なかなか全てがそう簡単にはいきませんが、少しでも皆が幸せに暮らせますように。
 
親子円満には、各人の思いやりが必要ですよね。
老いが進んだ親御さんが、足を滑らさないようにユニバーサルデザインの配備について、改めて考えてみるのもよろしいかと思います。
 

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