「リビ充」って何のこと?

 カテゴリ/暮らしのヒント 投稿日/2017-02-12

昭和に生まれた中年筆者は、親から「ご飯を食べたら、部屋で勉強しなさい!」 と言われて育ちました。
リビングに長居することは奨励されない時代だったように思います。当時の自分からしてみたら自分の部屋を持てることは(親の目線から離れて好きなことができるから)とても素敵なことであり、周りの友達からは羨望のまなざしで見られ、ある種のステータスだったように記憶しています。
 
ところが、2017年の現在の一般のご家庭はそうではなくってきているようです。
 
最近、「リビ充」という言葉を耳にする機会がありました。「リア充」の間違いじゃないの?
と聞き返してしまいました。
「リア充」という言葉、2-3年前からでしょうか、facebookといったソーシャルメディア(SNS)に自分の日々の生活が充実しているように見せる写真を投稿することを「リアルな生活が充実している様子」=「リア充」と揶揄されるようになりました。「どや顔」もしくは、「カワイイ自分達」を見せることで自己顕示を楽しむと言いますか、そんな「遊び」が流行りになっていますね(笑)
 
では、私が耳にした「リビ充」とは一体何なのでしょうか? どうやらこれは「建築設計」の分野で昨今トレンドになっているお話のようで、『リビング充実』のことを指しているようです。

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今回は、そんな『リビング充実』はどんな経緯・背景から現在トレンドになっているか? について高槻にある小阪工務店社長、小阪様(以下K)にお聞きしてみました。
 
-小阪社長、そもそも『リビング充実』とは何のことなのでしょう?
 
K) 先日リクルート住まいカンパニーさんが発表した「2017年トレンド予測」によると、住まい領域で「リビ充家族」というものあるとのことでした。
一言で言うと、「リビングを最大化し、そこで各々が好きに充実した時間を過ごす家族が増加中!」ということでして。

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(出典: リクルート住まいカンパニー記事より
https://www.recruit-sumai.co.jp/press/2016/12/trend2017.html)
 
 
K) 私ども工務店での設計現場でも、そういう意向を示される施主様が増えつつあることは間違いないように思います。
 
背景としては、お子様の成長の状態が大きく関わっている気がします。リビングを広めにとることで、奥様は家事を行い、お子様は勉強をし、お父様も好きな趣味の雑誌をソファに座りゆっくり楽しめる。広めの空間で家族それぞれが別々のことをしながらも、それぞれの存在を感じることができる、というのが新しい価値のように思います。
 
この考え方は、新築を建てる時やリノベーションを行う場合の全体設計に大きく関わることではありますが、お子様が自分の部屋でゲームをしていても良いように子供部屋は一応作りますが、面積を小さくしてその分リビングを大きくしたいと。
 
今はネットで何でも調べられる時代ですから、パソコンがあると「学習」には便利になってきて、(最近のノートブックパソコンやタブレットPCは凄く小型化しているから、奥行きが狭い机で事足りるわけです。) スタディコーナー、パソコンコーナーを兼用にして、リビング壁際にセットすれば場所とらなくて済むわけです。

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そういった意味では昨今のカフェブーム、あれは見ず知らずの人達がカフェでおもいおもいのことをしていますが、人の気配を感じるからか、なんか落ち着くじゃないですか。家族こそ、同じ空間で時間を共有することが必要な時代になってきているのかもしれませんね。
 
- そう考えて行くと、リビングが仕事・勉強・遊びなど「家族それぞれの時間を過ごす多機能空間」へ変化を始めているっていう傾向は理解できますね。
 
小阪社長、お忙しいところ、インタヴューありがとうございました。

 

 カテゴリ/暮らしのヒント 投稿日/2017-02-12